山中塗から、木製のくりぬき盆のご紹介です。

塗りは根来塗といって、黒漆の上に朱漆を一度塗りして

使用による摩滅によって、下の黒漆が現れてきて、それを楽しみます。

このお盆は、意図的に渦状に朱漆を研ぎだすことで

下地の黒漆の文様を見ることができます。

元々は、紀伊の国（和歌山県）根来寺において製造された塗り物をいいます。

正応元年（１２８８年）高野山の僧徒が根来村に移って寺院を建立し

仏具や膳　椀　鉢　皿などを自ら作ったのが始まりとされています。

この漆塗り技法を使い、山中で塗られた漆器ということになります。

このお盆は、深さがあり、茶盆といわれる形をしていて

器を運ぶ際、縁があるために器がずり落ちることがないような

作りになっています。

このお盆は直径が１尺１寸、約３３㎝もあり、お盆としてはかなり大きく

余裕をもって使うことができ、何かと重宝するサイズです。

現在、このサイズのお盆を作る材料が不足しており、

出来にくくなっているか、価格が高騰している傾向があります。

そういった意味では、このお盆の価格は

とてもリーズナブルなものになっています。

お盆の裏側は、乾漆仕上げとなっており、滑り止めにもなっています。