菊池正直 作の炉用の五徳のご紹介です。
五徳とは炉・風炉の灰の中に据えて釜をのせる器具で
鉄製のものが多くなっています。
最下部の輪から3本の柱が経ち上がって、先端の爪が内側に曲がって
釜を支えています。
爪の形や全体の形状などから、様々な形があります。
こちらの五徳は薩摩五徳とか、薩摩屋形と呼ばれるもので
このような力強い太さと、荒々しい表面の様子、爪はやや短く丸っこい形をしています。
この薩摩とか薩摩屋の由来は、地名なのか、薩摩屋という屋号からなのか
因みに薩摩屋の屋号は千利休の弟子、山上宗二のもでもありますし
他にも戦国時代の堺の商人や、元禄時代の茶人も同じ屋号であり
名前の由来は定かではありません。
確かなのは、この五徳の形が薩摩とか、薩摩屋と呼ばれているということです。
そして釜師である、菊池正直が作った五徳であるということです。