山中塗から木製くりぬきの大椀の
ご紹介です。
高級木材として知られる水目桜をくりぬいて
うるしを塗って作られています。
最も摩耗する椀の内側と口の部分は
「蒔地」という下地技法を使って堅牢に
作られています。
「蒔地」とは、木地に直接塗ったうるしが
乾かないうちに地の粉(珪藻土を焼いて
粉末にしたもの)を蒔き付けて作る
下地技法です。
この技法によって強度が上がり丈夫で
永くお使い頂けます。
下地の上に黒うるしを塗って、その上に
朱うるしを塗って研ぎ出して
根来に仕上げられています。
外側の胴と高台は、すりうるし塗りが施され
木目が見え木の温かみを感じて頂けます。
形は合鹿椀と呼ばれる高台の高い
大ぶりなものとなっており特徴的です。
容量が多いので、丼ぶりもの全般、
うどんやそば、雑煮やけんちん汁など
具沢山の汁物など多用途にお使い頂けます。
口が広いので食べやすく、洗いやすい
形状となっています。
持ちやすく、高台もしっかりしており
どっしりと重厚感があり安定しています。
全体に丸みを帯びており、くりぬきの良さや
緩やかなカーブが手にフィットして
木製のよさを感じて頂けます。
落ち着いた根来のデザイン性と
素材のよさも相まって素朴で、永く
お使い頂ける逸品といえます。