山中塗から、くりぬき長角盆のご紹介です。

この長角盆は栗材を使っており、堅いために、加工がしやすいとは

いえず、それにも関わらず、全面にわたりノミ彫りを施してあり

大変な手間と技術が必要となります。

普通裏側は彫らないものが多いですが、このお盆は裏側まで

しかも全面的に彫られていて、作り手のこだわりが感じられます。

堅くて丈夫、水に強く腐りにくい性質は、お盆としては

最高の素材であり、使い手からみると理想的なお盆となります。

また、このお盆持ってみると分かりますが、大変薄くて軽いんです。

普通、ノミ彫りのお盆はざっくりとした、若干厚めの木地を使い

彫る部分も入れるので、薄くはしません。

どちらかというと、分厚く重いものが多いんです。

薄くすると、突き抜けてしまったり、反ったりしたり

作る側からすると、リスクが高いんです。

しかし、この長角盆は、驚くほど薄くて軽く、反りもなく、

とても繊細な感じがします。

ノミ彫りなのに、繊細なお盆はちょっと珍しいです。

大き過ぎないサイズなので、お茶とお菓子を両方のせて

お客様にお出ししたり、運び盆としても使えます。

今後出来るかどうか分からないほどの逸品です。