日本製の角の杉材で作られた薄板(うすいた)のご紹介です。
こちらは焼杉となっており、杉の表面と裏面を軽く焼いて、うっすらと焦げ目が
付けられています。
表面を焼くことで、汚れや変色などを防ぐ意味と、古い茶室などの侘びた雰囲気に
合わせるために、焼杉の薄板を使う場合があります。
薄く丁寧に焼いてあるので、木目がよく見えて、風情のある雰囲気に仕上がっています。
花入自体や飾る場所の雰囲気によっても、使う薄板を変える場合があります。
薄板とは、花入の下に敷く薄い板で、床の間などに花入を飾る時に
花台のような役割をします。
蛤端(はまぐりば)とは、この薄板の四辺の端の部分が、貝の蛤の合口のような
尖った形に仕上げられているものをいいます。
この薄板は「真・行・草」の内、日常喫茶の「草」の部類に入ります。
「真」は仏様や貴人への供茶などの献茶に類する正式な茶事で
「行」は「真」と「草」の中間になります。
この薄板に合わせる花入も「草」の花入をセレクトして頂くと
より引き立つと思われます。
「草」の花入とは、無釉陶や自然釉陶などになります。
伊賀焼や信楽焼、備前焼、丹波焼などがそれに当てはまります。
また、竹の花入れを置くこともあります。
こうした茶道の約束事は、必ずその理由があるので
ルールに沿った方が、花や道具がより引き立つと思われます。
自然の杉ですので、木目がそれぞれ異なります。