伝統工芸士で沈金師の関翠雲によって、
彫られた中棗のご紹介です。
中棗は、薄茶を入れる茶器で植物の棗の実に
形が似ていることからこの名前が付いたと
言われています。
大棗よりも小ぶりなので、中棗と
呼ばれています。
この棗は沈金と同じ技法で作られています。
木製うるし塗の黒無地の茶器に、沈金師が
一彫り一彫り針彫りで文様を施しその彫った
溝に生漆を摺り込み、その上から朱色を
摺り込んで模様を浮き上がらせる技法です。
ほぼ全面に針彫が施されておりとても細かく
これ程多くの彫りは気の遠くなるような
手間と高い技術が必要とされます。
茶器全体に朱色の菊の模様が浮き上がって
見えます。