讃岐塗から、天然木をくり抜いて作った丸盆のご紹介です。
素地に天然のうるしを摺り込み、幾度も塗り重ねて仕上げたものです。
「象谷塗」(ぞうこくぬり)とは、香川漆芸の創始者 玉楮象谷
(たまかじぞうこく)の名前をとり「象谷塗」と呼ばれるようになりました。
ろくろで加工した素地を木地固めして、生漆を刷毛で何度も摺り込み、
その上に川辺や池に群生しているイネ科の多年草の稈の中に入っている
真菰(まこも)を漆の上に撒き、さらに漆を摺り込んで仕上げます。
永年使い込むうちに、つやや独特の陰影が出て、渋い味わいが増してきます。
象谷塗は大変堅牢に出来ており、普段の日常生活に
どんどん使って頂ける漆器です。
お盆全体に施されている、ろくろ目が荒々しさを表現して
独特のデザインとなっており、手作りの温かみと、
滑り止めの役割にもなっています。
ホーロク型の「ホーロク」(焙烙)とは、ふちの浅い素焼きの土鍋のことで
火にかけて食品などを炒るのに使う器のことで、縁が上がっていて
形が似ていることから、この名前が付けられているようです。
普通のお盆よりも縁が高く作られているので、上にのっている器が落下するのを
防いでくれるので、安心してお使い頂けます。
また、このお盆は径が1尺2寸、36cmもあり、大変迫力がありますが
材料の関係で、今後出来にくくなる可能性がある貴重なものです。
素材感を活かしたシンプルなデザインは、飽きが来ず永くお使い頂けます。