中興名物 瀬戸 金華山窯 飛鳥川を写して龍喜窯で作った
茶入のご紹介です。
小堀遠州が堺で初見した時、本人もまだ若く茶入も新しく
思われたが、年を経て伏見で再見した所、茶入がいかにも
古色を帯びていたので、過ぎし年月とも思い合わせて
古今集の「昨日といひ今日とくらしてあすか川ながれて
はやき月日なりけり」の歌を引いて「飛鳥川」と
命名したと言われています。
小堀遠州は入手後たびたび茶会に用いて愛蔵したが
のち公金流用事件が起きた際、酒井忠勝に格別の厚誼を受けた
御礼に贈ったと伝えられ、出羽庄内(鶴岡)侯酒井家に
伝来しました。
撫肩ながら丹精で気品に満ち、柿金気地に瓶際から肩一面に
黒褐釉がかかり、わずかに一条黒なだれが置形を
なしています。
ことに釉面の艶高さが見どころとなっています。
吉野間道の仕服と牙蓋が付いています。