清水焼から陶楽 作の聞香炉(ききこうろ)の
ご紹介です。
聞香炉とは飾ったり置いておく香炉ではなく
香道や茶道などで使う「香を聞く」為の
香炉です。
「香を聞く」とは香のかおりを嗅ぎ分けて
味わうことをいい、その修練が芸能となり
香道が発達しました。
茶道でも香を聞くことがなされており、
聞香炉は茶道でも使われます。
聞香炉は手で持って香を聞くので、小ぶりに
作られており香を聞きやすいように、煙返し
(縁を内側に曲げる)が付いておらず、
一重口になっています。
扱いやすいように寸胴型で蓋がなく
三つ足になっています。
この聞香炉は三島という焼物で、元は朝鮮の
陶磁器で濃い鼠色の素地土とその表面を
白い化粧土で覆った焼きものです。
三島にも様々な種類がありますが、陶楽の
三島は本格的で、生地はすべて手づくりで
その上から「印花」(いんか)といって
花模様の印を押しこれに化粧掛けを施して
のち拭いとり「象嵌」(ぞうがん)のような
感じを出し、これに釉薬を施したものです。
特に外側には多くの「印花」が押されており
大変な手間と高い技術が注がれています。
この釉薬は紫がかったものが使われており
ほんのりとした紫色が美しく特徴と
なっています。