鉄山 作の織部の香合のご紹介です。
香合とは香を入れておく蓋付きの器で主に茶道などで
使われます。
炭点前で使ったり、帛紗や紙釜敷の上にのせて
床の間に飾ったりもします。
11月から4月までは、炉の時季で練り香を使うので、
この香合のように陶磁器製を使うことが多いようです。
鑑賞の対象になることが多く、とても多くの種類があります。
この香合の形は拍子木(ひょうしぎ)といって長細い直方体の
木で出来た一対になったもので打って音を出すものです。
古来からの行事に使われたり、相撲や踊り、祭りや
演劇などにも使われてきました。
また火の用心など夜の警戒の鳴り物としても使われています。
この香合は白土を捏ねて、拍子木が少しだけずらしてある
状態を形作っています。
片方の拍子木の上面にだけ織部釉をかけ、その他の部分は
鉄釉で線が描かれています。
蓋を取ると香合を入れる部分には貫入が無数に入っています。
合わせ目は、ざらついた土の感じがあり土物の荒々しさが
見られます。
拍子木を使う火の用心の寒い季節や、それを使う行事に因んだ
場面で使えます。