九谷焼から俊英 作 古九谷の水注のご紹介です。
水注とは文字通り水を入れて、それを注ぐための器です。
実際に水以外にも液体であれば、酒類などでも使うことが出来ます。
この水注は大変凝った作り・デザインになっている為
装飾品の意味合いもあります。
胴の部分は濃紺の艶のある釉薬が塗られており、たこ唐草が白抜きになって
文様となっています。
胴の中央には片方に龍と、もう一方に鳳凰がかなり複雑に描かれています。
これには凹凸が付けられており、立体的になっています。
また、透かし彫にもなっており、大変な手間と技術が注がれています。
首の部分には梅の花が両側に描かれています。
蓋には獅子か狛犬のような動物が形作られており、また蓋が注ぐ時に落ちにくいよう
口への差し込み部分が長くなっており、良心的な作りになっています。
注ぎ口までの細長い首と持ち手は白無地に緑の唐草が一部に描かれており
他の部分とは異なるシンプルなデザインでお洒落になっています。
九谷焼の伝統的な色彩ではありますが、水注の形が異国の雰囲気を持つ
造形となっており、独特なデザインとなっています。