莨盆とは、本来は昔からある莨(たばこ)を吸うための道具を
入れておいて、そのまま使うための深さのあるお盆です。
円形、長角、楕円形など様々な形があります。
茶道では正式なものが使われ、中に火入れ、灰吹き、煙草入れ、キセルなど
一式を入れて、待合や薄茶席に置かれます。
茶席で正客の位置を示すものとしても、認識されています。
この莨盆は、表千家の即中斎好写で、前後の面に糸巻の透かしがあり
前後の面が側面よりも、少し高くなっています。
全体の塗りは黒塗で、糸巻きの透かしの面の部分だけが溜塗になっています。
黒の真塗は高級感があり、落ち着きのあるものとなっています。