京焼からよし三 作の秋草の細水指のご紹介です。
こうした普通の水指よりも細長い水指を「細水指」と呼び、
「中置」(なかおき)に用います。
「中置」とは風炉を畳の中央に据えて、お茶を点てることを言います。
10月初旬から炉開き(11月)までに使います。
火気が恋しくなる、この時季は冷気を感じるため、
風炉(火気)を客の方に近づけ、水指を勝手付の方へ遠ざける
心尽くしの扱いとなります。
赤土を使ってろくろ挽きで成型し、その上から白い釉薬を掛け
更にその上から数種類の秋草が、手描きで描かれています。
全体に色が薄めのやさしい雰囲気の画となっています。
秋草の構図もバランスがよく、色も緑、赤、黄、青、金色と
様々な色が使われています。
形はほぼ寸胴型で、ろくろ目が残されており、手作り感あふれる
造形となっています。
薄手に挽かれているので、とても軽くろくろによる造形の技術が
非常に高いことが分かります。
細長い耳が付いており、上半分は黒っぽく塗られてしめられています。
蓋はすくい蓋となっており、中央がへこんでいて、摘みは耳と同じで
黒く塗られています。