立花大亀老師 筆 稲尾誠中齋 作の香合のご紹介です。
立花大亀老師は、
明治32年 大阪生まれ 臨済宗の僧
昭和6年 京都大徳寺塔頭(たっちゅう)徳禅寺の住職
昭和28年より 大徳寺派宗務総長を2期のち 顧問 管長代務
昭和38年 最高顧問
昭和43年 大徳寺第511世住職
昭和48年 大徳寺内に如意庵を復興し庵主となる
昭和57年~61年 花園大学学長
平成17年没
と大変有名な老師です。
銘の「好日」は「日々是好日」の句からとった二字で
簡単には、心が外境に惑わされることなく、常に平常心を
たもつならば、毎日が良い日になるという意味です。
「日々是好日」は、晴れの日も雨の日も、楽しい日も辛い日も
その一日一日が最上最高で、かけがえのない日であるという意味です。
唐代の禅僧で雲門(うんもん)宗の祖とされる雲門文偃(うんもんぶんえん)の
垂語(すいご)によって有名な句です。
垂後とは索話(さくわ)ともいい、禅寺で住持が説法を始めるに先だって、
大衆に向かって疑問があれば出て問うように質問をうながす意を述べる法語です。
過去を悔やまず、未来に望みを託さず、主体的に今日のみを生きる安心立命の境涯。
人生にはもとより様々な苦しみや喜びが伴うが、笑う時には笑い、泣く時には泣き、
怒る時には怒って、しかもこれに一点の執着も留めなければ、境遇や感情に
翻弄されることなく、かえってこれを使いこなして、随所に主となることが出来る。
吉日も凶日も人が作りだしたものに他ならない。
吉日に悪事を行えば、悪い結果をもたらし、凶日に善事を行えばよい結果を生むのが
当然の道理であるという意味です。
この香合を作った稲尾誠中齋は京都の指物師で3代目となります。
柾目の桐材を使って作られています。
色紙が2枚重なっている様子が香合として再現されています。
色紙の四辺が金で縁取られていて、二枚の色紙はほんの少しですが
高低差がつけられており、細かい仕事がなされています。
桐木地の白さと金の色がとても合っていて、きれいな風合いとなっています。
また、蓋と身の木目がぴったりと合い、一つの木で作られていることが分かります。
蓋を開けると、香を置く部分が丸くくられていて、その部分が金で塗られています。
蓋の方も同じよう作られていて、大亀老師の花押が書かれています。
この香合は風炉の時季であれば、いつでもお使い頂けます。
「色紙」も「好日」も時季を選びませんので、5月から10月まで
半年間はお使い頂けます。
どのようなお茶会でも使える、汎用性の高い香合です。