日本製 良斎 作の軸を短く巻き上げてその状態をキープしておく為の棒です。
軸の縦の長さはそれぞれ異なります。
昔の茶室は天井が低いものが多く、そうした茶室の床の間の天井も低いので
軸を掛けると、床の間の床に軸が付いてしまう場合があります。
場合によっては、軸が長過ぎるがために、文字の部分がたわんでしまって
非常に見苦しい状況になってしまう場合があります。
どんなにいいお軸でも、そのような状態では台無しです。
そこで、軸を短く巻き上げた状態を保って、一時的に体裁をよくするために
この道具が作られました。
使い方は、画像を見ながらご説明して参ります。
①まず、軸を少し広げます。
②風帯のある方、軸の上部を巻き上げたい長さまで内側に巻いて丸めます。
③横から、その丸めた部分を巻き上げ棒の中に入れるようにして スライドさせて入れます。
④巻き上げ棒を軸の中央にくるように移動させます。
⑤丸めた部分が、竹の中で真っ直ぐに戻ろうとする力によって
抵抗が生まれて、軸が巻き上げられた状態でキープされます。
巻き上げ部分が少ないと、抵抗が少なくなるので、止まりにくくなりますが
その場合は、別の紙を置いて一緒に巻くことで、かさ増しをする必要があります。
⑥ 軸の幅はこの巻き上げ棒の節から節の長さのものにしてください。
それ以上の幅がある軸は、軸本体を傷める可能性がありますので、注意してください。
上部に付いておりますヒモは、鹿皮が使われており、高級感があります。