山中塗から木製の白檀塗 夫婦汁椀のご紹介です。
白檀(びゃくだん)塗とは、漆工芸の一技法で漆器や陶器の表面に
金や銀の箔や泥または粉を貼り付けたり蒔き、その上に透明な漆を掛ける技法で
平安時代に始まり、伊勢神宮収蔵の太刀の鞘や、徳川家光を祀った日光の大猷院廟の内部に
駆使されています。
ここでは汁椀の木地に漆で書いた図案に銀箔を貼りその上に漆を摺り込み、
研ぎ上げた後、半透明の漆(朱合漆)を塗り上げており、銀白檀と呼ばれます。
汁椀には半円形の銀箔を貼り付けられており、これは「日月椀」の由来である
太陽と月を表現しており、一つの汁椀に3つ付けられています。
銀箔の上は漆によって何とも言えない美しい風合いに仕上がっており
白檀塗の特徴をよく表しています。
外側の白檀塗以外の部分は溜塗りの、やさしく落ち着いた雰囲気になっており
また、大変艶があって高級感があります。
内側はそれぞれ無地の朱と黒に仕上げられシンプルになっています。
サイズは深さも口径も適度にあり、どっしりとして使いやすい形をしています。
眺めても使っても、満足感を感じられる逸品といえます。