山中塗から木製の根来の丸盆のご紹介です。
栃の木をくりぬいて作られた直径が33㎝の迫力あるお盆です。
塗りは根来塗といって、元は紀州の根来寺に由来する漆器で
黒を下塗りし、その上に朱を塗って作られています。
上塗りの朱を朱を研ぎ出して、下の黒が見えることで
模様としています。
蠟色塗(ろいろぬり)とは漆芸技法の一種で油分を含まない漆で上塗りをし
乾燥後、表面を磨き上げたものをいいます。
最初は木炭を用いて水研ぎし、研いだ表面を種子油と砥粉を木綿に付けて磨き
次に生漆を綿に付けて薄くすり漆をしてか乾かし、乾いた漆面を種子油と鹿の角粉や
チタニューム白を使って磨きます。
この作業を3,4回繰り返すと漆特有の落ち着いた光沢を現して、堅牢な蠟色となります。
通常の塗りの何倍もの手間と技術が注がれており、漆工芸の中でも高級品と言える
レベルのものとなっています。