竹寛 作の竹の一重切(いちじゅうぎり)花入のご紹介です。
一重切とは竹花入の切り方の名称で、花を生ける窓が一つ切られているものをいいます。
裏側には掛け花が出来るように釘を掛ける部分があります。
千利休が秀吉の小田原の役に随伴したときに、伊豆韮山の竹で作り、
のちに大徳寺の古渓宗陳に贈ったと言われる「小田原」や
これも秀吉の小田原の役の陣中で、千利休が竹を切って花入を作り、その子少庵に
土産として与えた「園城寺」(おんじょうじ)と同じ形をしています。
どちらもこの一重切であることから、千利休が最も好んだ竹花入の形と
言えるのかもしれません。
白竹が使われていますが、胴回りには所々に黒っぽくなった自然の色が付いおり
侘びた風情があります。
節は四つありますが、下部の三つの節には小さな玉のようなものがいっぱい付いており
厳選された素材が使われているのが分かります。
同じ竹製の受け筒が付いており、水を入れてすぐにお使い頂けます。
竹は熱や乾燥などで自然に割れることがあります。