高岡銅器から宗㐂作の建水のご紹介です。
建水とは、茶道で抹茶碗を清めた際の水を
捨てる為の器です。
「建」は傾けこぼすの意味があり、
通称「こぼし」とも言われています。
この建水は銅合金の板を槌などで叩き出して
作られており、高い技術と多くの手間が
掛けられています。
鋳造ではなく銅板を加工しているため、大変
軽く強度もある作り方がなされています。
このような作り方がされたものは
毛織(モール)と呼ばれています。
全体は菊彫がされており、口の部分には
細やかな模様があり、これがインドの
ムガール帝国時代に織られた織物の柄に
似ていることから「毛織」(モール)と
呼ばれるようになったという説もあります。
口の下で一旦窄まって口が開いており
使いやすさと形状のよさが両立しています。
渋い茶褐色の色合いは飽きが来ず、
永く使える風合いといえます。