昭阿弥 作の香合のご紹介です。
香合とは香を入れておく蓋付きの器で主に茶道などで
使われます。
炭点前で使ったり、帛紗や紙釜敷の上にのせて
床の間に飾ったりもします。
11月から4月までは、炉の時季で練り香を使うので、
この香合のように陶磁器製を使うことが多いようです。
鑑賞の対象になることが多く、とても多くの種類があります。
この香合は蕗の薹(ふきのとう)を模して作られています。
蕗の薹は、雪が解けて暖かくなってきた頃に見られます。
春を待って出てくることから春の訪れを感じさせてくれます。
蔕(へた)の部分は濃い緑色で釉薬の垂れが見られます。
実の部分は交趾の様なこっくりとした深い黄色をしており
こだわりと高級感を感じることができます。
厳しい寒い冬を耐え忍んで、地より生まれ出ずる植物と
いうことで早春の茶事にぴったりの香合です。