千家十職の土田友湖の出帛紗のご紹介です。
千家十職とは、茶道具の作家の中で特に千家が指定した
十人十職の家系を称して言います。
明治時代中期から称されるようになり、袋師として
土田友湖はその中の一人となっております。
当代は十二代となります。
この出帛紗は主に表千家様が使われる帛紗です。
この出帛紗は「亡羊緞子」(ぼうようどんす)と呼ばれ
三宅亡羊(みやけぼうよう)所持の裂であるところからの名称です。
三宅亡羊は儒学を宗旦に教え、宗旦から茶事を習い、
宗旦四天王の一人とされています。
和歌・聞香・挿花にも秀で、特に香炉の茶湯は、利休直伝を受けた
細川三斎から伝授され、これを儒学の門弟、藤村庸軒に伝えました。
忍冬唐草風の霊芝唐草一重蔓の間に鳳凰文を織り出した、
格調高い緞子です。
大名物「岩城文琳茶入」の仕覆に用いられ、名物裂の一つとなっています。