中村翠嵐 作の亀の香合のご紹介です。
香合とは香を入れておく蓋付きの器で主に茶道などで使われます。
炭点前で使ったり、帛紗や紙釜敷の上にのせて床の間に飾ったりもします。
11月から4月までは、炉の時季で練り香を使うので、この香合のように
陶磁器製を使います。
鑑賞の対象になることが多く、とても多くの種類があります。
交趾とは、元々明代後期に中国南部の交趾地方で作られた、色彩軟陶の総称で
青・黄・緑・紫などの釉薬が使われています。
鮮やかであるのに、こっくりとした深い黄色で
とてもきれいな色合いに仕上がっています。
また、緑色の交趾も艶があって鮮やかですが、深みがあります。
中村翠嵐の交趾は美しさと奥深さなど、高く評価されており
翠嵐と言えば交趾という程有名となっています。
こちらの香合も、翠嵐の交趾らしく大変いい色をしています。
「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、長寿の象徴的なシンボルで
とても縁起のいいものとなっています。
年始の茶会で「皆が長生きできますように」とか、敬老に日などの茶会で
「お年寄りが更に長生きされますように」という願いを込めた使い方もできます。
黄色と緑色がよくマッチして、とてもよく映える逸品といえます。