美濃焼から手桶を模した花瓶のご紹介です。

茶道などの水屋で使う道具である手桶を模しています。

手桶とは水屋瓶に水を汲み入れたり、蹲（つくばい）の水を

改める時など、水を運ぶ手付の桶のことです。

本来は木製で、割り蓋が付いていますが、こちらは陶器製で

花を生けるため蓋は付いていません。

本体には縦に木目のような筋が無数に入れられており、

横方向には「タガ」が上と下に見られ、リアルな作りとなっています。

下地に茶色っぽい鉄釉とその上から白い釉薬が掛けられ

下から所々、鉄釉が見えて白と茶の独特のコントラストが

何とも言えない雰囲気が出ています。

持ち手もちゃんと作られており、実物さながらの造形です。

ざっくりとして侘びた感じが出ています。

花を生けた際に、ひっくり返らないように本体下部が

ずっしりと重く作られています。

白が基調の渋めの花器なので、和花がよく合います。

落ち着いた雰囲気は、心を和ませてくれます。