清水焼から涼炉(りょうろ)のご紹介です。
涼炉とは煎茶で使われる、湯を沸かすための道具で
直接火に触れる部分は熱に耐えられるように
内側の部分は素焼きになっています。
上部にボーフラを置いて湯を沸かせるように
三つ爪が確認できます。
その下には炭を入れる半球型の部分があり下からの
風が通るように小さな穴がたくさん開いています。
外側は白磁に染付の筒型磁器になっており、胴の部分は
無地で上下に雁木(がんぎ)という模様が手描きされています。
「雁木」とは空を飛ぶ雁 (がん) の列のようなぎざぎざの
形や模様のことで、鋸歯状の連続模様をいいます。
二重構成のものや向かい合った形式のものもあります。
下部には丸型の小窓があり、その窓から扇で風を送って
火を起こせるようになっています。
また涼炉自体の過熱を防ぐために少し底上げになっており
接地部分は三つ脚で、よく考えて作られています。
さらにこれらを上に置く円形の台がついているので
熱が底に伝わりにくいように工夫されています。