清水焼から紅毛(おらんだ)の火入の
ご紹介です。
火入とは中に灰と小さな炭を入れて、
本来は煙草の火種の器です。
灰の表面に細かい筋を入れて体裁を整えて
使います。
特に茶道では莨盆の中に入れ、茶会では
正客のすぐ近くに置かれますので
脇役ではありますが、よく目につき鑑賞の
対象となりますので重要な道具の一つです。
火入の大きさは、莨盆の大きさや高さなどに
左右されますのでバランスよく組み合わせる
ことが必要となります。
「紅毛」(おらんだ)とは元々は江戸時代に
オランダ船によって日本にもたらされた
陶磁器の総称です。
煙草の葉が唐草文様の間に描かれ白磁の
生地に藍、黄、緑、オレンジなどで彩られ
絵筆が生き生きとしています。
熱が外に伝わりにくいよう厚めの生地で
どっしりと安定しています。
口が広く灰や炭を入れやすく、灰形も
付けやすくなっています。
ヨーロッパの洋風の雰囲気が漂い、ひと目で
オランダと分かるさわやかで、すがすがしさ
を感じる逸品です。