清水焼から煎茶用の急須のご紹介です。
煎茶道で使われる玉露など高級茶を
注ぐための急須です。
白磁の生地に盧仝(ろ どう)の
「七碗茶歌」が書かれています。
盧仝は中国・唐代末期の詩人で、皇帝に
献上されるものと同じ極上の新茶を友人の
孟諌議より贈られた時に詠まれた歌です。
一碗喉吻潤い、二碗孤悶を破る。
三碗枯腸をさぐる。惟う文字五千巻有り。
四碗軽汗を発す。平生不平の事ことごとく
毛孔に向かって散ず。五碗肌骨清し。
六碗仙霊に通ず。七碗吃し得ざるに也ただ
覚ゆ両腋習々清風の生ずるを。蓬萊山は
いずくにかある 玉川子この清風に乗じて
帰りなんと欲す。
一杯目で喉が潤い、二杯目で孤独を忘れ、
三杯目で(感動の)言葉が腸まで流れ、
四杯目で汗と共に日頃の鬱憤が体から発散し
五杯目で全身が清らかになり、
六杯目で仙人のような気持ちになり、
七杯目で無我の境地に達し、仙人が住む
という蓬莱山まで風に運ばれていきそうな
気持ちになる
急須の形は丸みを帯び、小ぶりで薄手で軽く
繊細な雰囲気があり、高度な作陶技術が
感じられます。
蓋の摘みは花の形をしており扱いやすく
工夫され、高級感のある逸品といえます。