清水焼から尚音 作の抹茶碗のご紹介です。
白土をろくろ成形し、比較的薄手に作られており
軽くて扱いやすくなっています。
秋の風情を感じさせてくれる吹き寄せが描かれています。
「吹き寄せ」とは、秋に樹々の落ち葉が露地に散って
吹きだまりになっている風情をいいます。
赤く色づいた紅葉や黄色に変色した銀杏の葉、茶褐色の松笠
枯れ葉や松葉、どんぐりなど秋の風情が描かれています。
これらの絵柄は抹茶碗の正面と茶碗の内側に、赤、茶、黄、
緑、金など多くの種類の色を使い、たくさんの絵柄が描かれ
多くの手間が掛けられています。
金色での縁取りが多用されており、豪華な印象があります。
茶碗は少し大ぶりで丸みを帯びており、側面にはろくろ目と
貫入が見られ、白地の所々に赤みを帯びた
御本と呼ばれる風合いが表れています。
高台を見ると若干粗めの土が使われていることが分かり
荒々しさも感じます。
秋の茶事にぴったりの抹茶碗です。