清水焼から南蛮三島の平茶碗のご紹介です。
平茶碗とは、暑い時期に使われる抹茶碗で、
口径が大きく口が開いており、抹茶が
冷めやすく、少しでも涼しくお抹茶を
召し上がって欲しいという亭主、席主の
心遣いの表れとなります。
「南蛮」とは、昔南方の異国の地で焼かれた
焼物のことで特定の国や窯の製品を
指すものではありません。
東南アジアなど南方の国で作られていた
無釉の焼き締めの陶器なので表面がざらっと
していて、ざっくりとした土っぽい雰囲気を
しています。
黒褐色のものが多く、この抹茶碗のように
日本で作られていても上記のような作風で
あれば、「南蛮」と言われます。
この三島は「印花」と言われる花の形をした
型押しの印を茶碗の表面に手作業で一つずつ
押していき、印を押してへこんだ部分に
土を摺り込んで入れることで、黒の中に
花が浮かび上がって見えます。
普通は白い土を摺り込みますが、こちらは
ブルーの土が摺り込まれており、さわやかで
洒落た雰囲気が特徴となっています。
抹茶碗の外側はほぼ全体に、内側も抹茶が
入る茶溜まり以外は印花が押してあって
高度な技術と大変な手間がかかっています。
シンプルで飽きの来ないデザインで
永くお使い頂けます。