清水焼から、藤平正文 作の三彩の花入れのご紹介です。

黄色がメインの色でその他に、緑と赤茶色が使われています。

この三彩は最もポピュラーで人気のある配色であると思われます。

黄色のベースに鮮やかな緑色が映えており、赤茶色の釉薬は

それに渋さを加えています。

口の部分を見ると、釉薬が混じったからなのか、窯変して発色したのか

きれいな青色が見えます。

また、複数の色が偏らずに、しかも自然な表情を出しており

釉薬の流れ方など、芸術的な面がたくさん見られる花入れです。

黄色がメインなので、明るく草や茎の緑や木枝の茶色にもマッチします。

口が細長くなっており、少しの花でも生けやすい形状です。

全体の形は砧（きぬた）型の変形です。

「砧」（きぬた）は、衣板（きぬいた）の詰まった言葉で

布に光沢を出したり、洗濯物の糊（のり）を柔らげるために

盤上にのせて槌で打ちます。

スタイリッシュな形状なので花を活けなくても

花入れ自体がアートの面をたくさん持っているので、

オブジェとしても十分に役割を果たしてくれる器です。