清水焼から御本手の数茶碗のご紹介です。
数茶碗とは、大寄せのお茶会などで使われる
同じ種類の抹茶碗が10客ほどのセットに
なっているものです。
お抹茶を振る舞う人が多い場合、一碗ずつ
異なるものではなく同じ種類の抹茶碗を
使うことがよくあります。
基本的には同じ形をしていて、重なりが
いいものが多いので扱いがしやすく、管理も
しやすくなっています。
御本とは御手本の意味で、一般には
高麗茶碗の一種です。
日本から朝鮮に御手本(切型)を送り
釜山窯などで江戸時代の初期から
作らせたものの総称です。
古田織部や小堀遠州も切型をもとに
焼成に従事したといわれています。
白土にやや黄ばんだ釉薬を掛け型押象嵌の
鶴を描いた茶碗が特に有名です。
こちらの茶碗も鶴と雲、印花などの彫りが
あり類似の絵柄となっています。
また、土の表面に赤みのある斑紋が
出ることが多く、「御本が出た」と
いわれています。
こちらの茶碗にも内外に斑紋が見られ
特徴となっています。
外側にはろくろ目、内側には刷毛目が見られ
多くの手間と技術が注がれています。
ちょうど手におさまるサイズで、薄手で軽く
扱いやすくなっています。