清水焼から南蛮三島の宝瓶のご紹介です。
「宝瓶」とは持ち手のない急須のことで、
煎茶道などでも使う玉露などのいいお茶を
出す時に使う器です。
持ち手がないのは元来玉露などのいいお茶を
出す時は熱湯を用いず、湯冷ましなどで
一旦冷まして温度を下げてから使うので
熱くて持てない程にはならないということで
持ち手が付いていません。
また、金気が出ないように金属製の網はなく
筋が入れられた注ぎ口があり蓋にも穴が
あいており、約200㏄の容量です。
土をろくろ挽きし「印花」と言われる
花の形をした型押しの印を表面に手作業で
一つずつ押していき、印を押してへこんだ
部分に土を摺り込んで入れることで、
黒の中に花が浮かび上がって見えます。
力強い造形で口が広く茶葉が入れやすく、
捨てやすく、洗いやすい使いやすい形状と
なっています。
ほぼ全面に印花が施され多くの手間と
高い技術が注がれた永く使える逸品です。