加藤利昇 作 松の抹茶碗のご紹介です。
赤茶色の土をろくろ挽きし、上に灰色の釉薬を掛け
その上に見事な松が描かれています。
少し粗目の土を使っているため、所々に細かい石が混じっており
それが表面から見え、抹茶碗の少し荒々しい表情を作っています。
茶碗の外側には縦方向に削ぎが入れられ、変化がつけられています。
また、全体に御本といって赤みを帯びた斑紋が表れており
土物らしい表情が見られます。
茶碗の正面に立派な青々とした松が描かれ、金色も使われており
豪華で特別感があります。
茶碗外側の一部と内側に金刷毛がなされていて、おめでたい感じもしています。
「松樹千年翠」という禅語もあるように、「松」は寿命が長く、
長寿、おめでたい意味を持っています。
また、一年中緑色をしているので、「不変」を意味し
物事の本筋、根本は変わらないという、たとえも意味し
この抹茶碗を使うのも季節を問わないとされており、一年中使うことが出来ます。
「松・竹・梅」と言われるように、おめでたい意味もあるので
お正月から使うことも出来ます。