蒲池窯(かまちがま)から風炉用の灰器のご紹介です。
蒲池窯は旧柳川藩の御用窯で慶長9年(1604年)に
肥前佐賀の領主鍋島直茂公に仕えていた家長・彦三郎方親
(まさちか)が現・柳川市西蒲池で
土器を焼いたのに始まります。
蒲池焼は、うわぐすりを使わず、手作業で磨きあげた柔らかで
温もりのある軟陶となります。
生の状態の時に椿の葉で磨き松の木で焚いた900度の窯で
空気を入れず不完全燃焼させることで、重厚な色合いの
土器に仕上がっています。
表面は滑らかで、口の部分は若干内側に入っており
波打つ変化が見られ手作りの良さを感じます。
白に近いベージュに黒の斑紋が不規則に入っており
雲華焼の特徴がよく出ています。
当時は、藩御止め窯として一般への販売は禁止され、
貴重品として珍重されていたのも納得のできる逸品です。