京都の大徳寺の塔頭である高桐院の住職 松長剛山 筆の茶杓のご紹介です。
高桐院は、戦国武将の中でも智将として有名で、また茶人としては
利休七哲の一人として知られる細川忠興が父・細川藤孝のために建立され
以後、細川家の菩提寺として庇護されてきました。
その住職の松長剛山の筆によって、「松風」の銘がつけられています。
「松風」とは、松樹を吹き抜ける風の音のことで、その音が釜の湯の
煮え立つ音に似ていることから、釜の湯の煮える音も表わしています。
「松風」の一語に無限の幽寂な趣きが含まれ、古来より多くの銘にも使われ
名高いものが多くなっています。
松は一年中、青々とした緑の葉を茂らせていることから、季節に関係なく
何月のお茶会でも使うことが出来ます。
また、茶杓は三ッ節と大変珍しいものとなっています。
通常は節は中央に一つですが、この茶杓は先の方に一つと
一番元の方に一つとそのすぐ中央よりに一つの節があり
それもただの節ではなく、小さな丸い節が三つずつ確認でき
他では、あまり見られない面白い茶杓になっています。
全体に厚めの仕上がりになっており、力強い印象があります。
中央付近は若干すす竹のような色が入っており変化がみられます。
すべてにおいて、見どころのある茶杓と銘となっており
どんなお茶会でも使って頂ける茶杓です。