備前焼から桟切り花入れのご紹介です。

備前焼は今の岡山県備前市伊部を中心に産する陶器の総称で

釉薬を使わず、焼締めてあるのが備前焼の特徴です。

色は黒かグレーか茶色といった渋いものとなっています。

日本の侘び寂びを代表するような陶器です。

ですので、茶花などを生けるには、ぴったりの花入れです。

中でも、この「桟切り」（さんぎり）は備前特有の窯変で

窯の中で器が灰に埋もれ、直接火にあたらないのと、空気の流れが

悪いのが相まって、いぶし焼（還元焼成）になったため生じる変化です。

この花入れの形はシンプルでオーソドックスですが、

昔からある形で、花を生けるにも生けやすく、花器が渋いので

花が大変映えます。

特に茶室の床の間などには最適なものとなります。

この花入れは桟切りの窯変があり、花の色や、その時の気分で花入れの

正面を様々に変えて飾って頂くこともできます。