有田焼から中尾哲彰 作の千代口（ちょこ）のご紹介です。

千代口とは、しょうゆやタレ、岩塩や薬味などを入れるための

小さな器です。

お刺身やシュウマイなど、しょうゆやタレが必要なお料理には

必ず使われる器です。

この千代口、日常食卓でよく使われる器ですが、製作工程上

大きな器ではないのに割高になっていることが多いようです。

日本製の千代口であれば、有田焼の型ものでも、一つ千円前後するようですので

こんなに小さいのに、なぜ割高なのか疑問に思われる方もいらっしゃると思います。

器の価格は使った土の量や大きさで決まるというよりも

どれくらい手間がかかったかで決まってくる場合が多いようです。

また、窯に入れられるスペースや、焼成中に破損や変形する割合が多いと

歩留まりが悪く、一つあたりの価格が高くなってしまいます。

この千代口も小さい器ですが、作家の手づくりで銀河釉といって

特別な釉薬を使い、裏側は布目となっており、相当の手間と

技術が注がれています。

ですので、一つひとつ大きさや形、釉薬の掛かり方がすべて異なっています。

それが、手作りで手間が掛けられている証でもあり、個性でもあります。

一つずつ異なる風合いを、楽しんで頂ける器です。