赤津焼から山口錠鉄 作の蓋置のご紹介です。
蓋置とは茶道で使う釜の蓋を置く道具です。
柄杓を引くのにも用いますが茶会のテーマや
季節ごとに形や材質、柄などを合わせて
使います。
棚の上に飾ったりもするので非常に目立って
小さい道具ですが、なくてはならない
存在です。
この蓋置は夜学と呼ばれ、昔の中国で夜、
読書をする時に用いた灯明の火皿を置く台を
転用したものです。
甕(かめ)のような形をしており、火灯窓の
ような透かしが数か所あります。
すべて手作りで成形され、透かしが施されて
おり、反りなどメリハリのある造形で
作陶技術の高さを感じます。
全体に織部釉が掛けられた、総織部で侘びた
雰囲気を出しています。
秋の夜長、読書の季節にぴったりの
蓋置といえます。