先回は茶道には、膨大な種類の日本の文化・芸術が詰まっていることを

ご説明しました。

 

その中で陶芸は最も重要な要素の一つとなります。

 

抹茶碗や水指、香合、蓋置、花入、火入など茶道にはなくてはならない器が

非常に多く含まれています。

 

陶芸と言っても、実はその中には様々な分野があり、茶道で使う陶磁器類は

「茶陶」といって、茶道で使う陶磁器を専門で作っている作家がほとんどです。

 

それは、茶陶は道具に約束事があり、形や大きさ、使い方などがある程度決まっていて

茶道のことを知らないと、きちんとしたものが出来ないからです。

 

何代も続く作家さんは、大抵の場合自ら茶道を習っており、その中から

自分の作陶をどうしていくのかを考えていらっしゃいます。

 

利休の時代から続く作家だと15代とか16代目の方もいらっしゃいますし

比較的新しい作家でも3代か4代目の方もいらっしゃいます。

 

弊社、小林漆陶でも一年に一回、茶道の作家展を行う中で

作家さんご本人と、行動を共にして、一緒に食事をしたり、じっくりと話をする機会があり

人柄はもちろん、茶道や作陶に対する考え方や、人生観などを聞くことが出来

とても勉強になっています。

 

何代も続く一流の作家さんでも、試行錯誤をしながら作陶をしています。

 

先代と全く同じでは、代が変わった意味がないし、変わり過ぎても

代々襲名していく作風というものが、崩れてしまうし。

 

しかし、先代を超えたいという強い志をもって、日々努力を重ねていらっしゃいます。

 

茶道人口の減少傾向や長引く不景気の逆風の中、代々引き継いできた技術を

守り、更に高めていくために、多くの作家さんたちは精進されています。

 

茶道で使われる陶芸の器は、専門の作家が様々な試行錯誤を重ねて

生み出された逸品が多いので、ちょっとだけ注意してご覧頂けたらと思います。

 

この続きは次回。

 

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