今回は木製漆器の正しい扱い方についてご説明致します。
木製漆器は扱いが難しいのではないかとか、面倒だという方がいらっしゃるかもしれませんが
正しく扱って頂ければ、長持ちしますし、使う満足感も高いと思われます。
木製漆器は、変形を防ぐために、木地を何年も場合によっては何十年も乾燥させ
水分を抜いてから加工され、いくつもの工程を経てうるしを塗られます。
漆にも木にもそれぞれに、多くの長所があることは、今までご説明してきましたが
その長所を持続させるために、少しだけ気を付けて頂くことがあります。
金たわしなど傷が付いてしまうものでなければ、一般的なご家庭で使う中性洗剤を
スポンジなどに付けて、洗って頂いても大丈夫です。
ただし、水に浸けっぱなしにするのは、避けて頂いた方が無難です。
漆が塗ってある木製品は水切れがよく、汁椀などに普通に汁物を入れて頂くことは
何の問題もないんですが、器全体を長時間水に浸しておくと、少しずつ水分を吸ってしまう
可能性があるので、避けて頂いた方が長持ちします。
汁椀には熱い汁物を入れることが多いと思いますが、70℃前後の温度であれば大丈夫ですが
沸騰して、ぐつぐつ煮えたぎった熱湯を入れますと、内側が変色する可能性がありますので
飲みごろの温度の汁物を入れてください。
また、電子レンジ、オーブン、食器洗浄機、冷蔵庫、冷凍庫に入れることは避けてください。
また、直射日光にさらしたり、ストーブやエアコンの傍らや高温の場所での保存は避けてください。
うるしは、環境を汚すことがない自然素材の割に、酸やアルカリにも強いんです。
塗りたては色が濃く、表面も安定していませんが、時間が経つにつれ
塗りが次第に硬く丈夫になっていきます。
塗りたては、うるしの臭いがする場合がありますが、風通しのいい場所に置いておくだけで
次第に臭いがとれていきます。
どうしても臭いが取れない場合は、米のとぎ汁か酢を湯水でうすめて、拭いてください。
毎日使えば、少しずつ劣化は進みますが、上手に扱って頂ければ
何年にもわたって使うことが出来ます。
場合によっては、塗りが取れてきたら塗り直しをすると、
新品同様に生まれ変わってきます。
うるし塗りの木製漆器は、究極のエコ素材といえます。
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