今回は、秋田県の伝統工芸品の桜皮細工(樺細工)について掘り下げてみたいと思います。

 

桜皮細工は、江戸時代中期に角館の佐竹北家の武士・藤村彦六が、角館北部の山岳地帯の

阿仁で技術を習ったことが始まりとされています。

 

山桜の樹皮を光沢のある部分まで削り、ニカワで貼り付けて成形していきます。

磨き出しの工程一つを取ってみても、高い技術が必要とされます。

 

この世界に類を見ない匠の技は、一つひとつ手づくりにこだわった名工によって

230年間にわたり受け継がれてきました。

 

桜皮細工の防湿・防乾性に優れた特性によって、茶筒が有名ですが

実は、桜の樹皮には抗菌効果があることが、実験で実証されています。

2010年の4月に大腸菌や黄色ブドウ球菌の実証実験がなされています。

 

自然素材である山桜の樹皮にも、複数の優れた効果があることが分かってきました。

 

自然の木には種類にもよりますが、どうも外部のカビや菌、樹木特有の病気に対する

抗菌効果が備わっているものがあるようです。

一部の木製漆器には、プラスチック製にはない菌に対する防御力が予め備わっているようです。

 

それは、人体には無害で、半永久的に効果が持続するという、夢のような力です。

 

自然の力は偉大と言わざるを得ません。

 

木製漆器については、次回に続きます。

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