木製漆器の6番目の長所は、木そのものの特性についてご説明します。

 

以前にうるしの抗菌効果について述べましたが、実は木そのものにも

抗菌効果がある種類の木があるんです。

 

元々木には、カビや細菌、害虫から身を守るためのフィトンチッドと言われる物質があります。

 

これには、抗菌・防腐・防虫効果や、森林浴のような効果もあって木を加工した後でも

効果が持続するようなんです。

 

木の種類によって、効果の差がありますので以下にご紹介して参ります。

 

まずは曲げわっぱのお弁当箱で有名な杉が代表的なものです。

お弁当箱は食材を何時間も入れたままにすることが多く、

特に夏などは気温が高く、食材が傷みやすいので、抗菌・防腐効果が発揮される杉のお弁当箱は

食材の腐敗を心配することなく、美味しくお弁当を楽しんで頂けます。

 

杉の繊維は空気を多く含む多孔性があるので、保温性、調湿性に優れています。

多孔性の杉の繊維は水分も多く含むので、弁当箱内部の湿度が高過ぎると

杉の木が水分を吸湿し、逆に内部が乾燥し過ぎると、水分を放出して

弁当内部の湿度を調整してくれる調湿性があるんです。

 

湿度を自動的に調整してくれるので、弁当箱の内部は常に適度な湿度に保たれ

食材が乾燥し過ぎてカリカリになってしまったり、逆に水分多すぎて

ベタベタになることがないので、より美味しくお弁当のお料理を召し上がって頂くことが出来ます。

 

また、お弁当箱以外でも食に関する器が自然の抗菌効果があるので

毎日の食卓をより衛生的に、より安全にすることができます。

また、虫を寄せ付けない防虫効果もあるので、ゴキブリやハエなど

不衛生な害虫が近づくのも防いでくれるのかもしれません。

 

杉のいい香りは、気分を落ち着かせたり、心を和ませてくれる鎮静効果が

あると言われ、精神的にもプラスの効果があります。

 

古来から使われてきた杉の木には、こんなに多くの素晴らしい効果があり

先人たちがその効果に気が付いて、弁当箱などに応用したことは驚くべきことであり

ただただ脱帽するばかりです。

 

世界にも誇れる、この日本の宝とも思えるこの工芸品を

是非多くの方に体験して頂きたいと思います。

 

木製漆器の次の長所については、次回に続きます。

 

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