清水焼から手づくり組湯呑(ペア)の
ご紹介です。
「南蛮」とは、昔南方の異国の地で焼かれた
焼物のことで特定の国や窯の製品を指すもの
ではありません。
東南アジアなど南国で作られていた無釉の
焼き締めの陶器で表面がざらっとしていて、
ざっくりした土っぽい雰囲気をしています。
黒褐色のものが多く日本で作られていても
こうした作風であれば「南蛮」といいます。
この三島は「印花」と言われる花の形をした
型押しの印を表面に手作業で一つずつ押して
印を押して凹んだ部分に色土を摺り込んで
入れることで黒の中に花が浮かび上がって
見えます。
小さい方の湯呑には、ほんのりピンクの花が
大きい方には青白い花が浮かび上がり
渋い南蛮に色彩豊かな明るい風合いが
加えられています。
大変な手間と高度な職人の技術が注ぎ
込まれています。
内側はグレーの生地に白い刷毛目が施され
外側から押した印花の跡が見られ手づくりの
痕跡と土ものの味わいを感じる湯呑と
なっています。
見た目は重厚感がありますが、ろくろ成形で
作られ比較的軽く扱いやすい器といえます。
口は羽反り型で口当たりが良く、
飲みやすい形状となっています。