備前焼から手づくり獅子のご紹介です。
備前焼は岡山県備前市周辺で焼かれた焼物で
釉薬を全く使わずに「酸化焔焼成」で焼き締めて作られており
土そのものの味わいを感じることが出来ます。
備前焼は土の特性で、花入れでしたら水が腐りにくく
花が長持ちするとか、湯呑などは入れた水やお茶の味が
まろやかなになると言われています。
この獅子は胡麻(ごま)と呼ばれる焼き方を
されています。
胡麻は焼成中に燃料である松割木の灰が器に付着して、溶解し
胡麻をふりかけたような状態になったものをいいます。
獅子には悪魔を圧する霊力があると信じられたために
門や扉の守護物とする習俗が生じ、日本でも、
神社の社前や宮中の鎮子(ちんし)に、狛犬(こまいぬ)と
対をなして獅子の像を左側に置き魔除けとされています。
備前の茶色の土を使い成形されていますが、作りは
細部に至るまで大変精巧に作られており、高い技術と
多くの手間がかかっていることを実感できます。
本体はそれほど大きくないのですが、糸巻きの上に乗って、
躍動感あふれ、迫力のある獅子に仕上がっています。