山中塗から木製の食籠(じきろう)のご紹介です。
食籠(じきろう)とは、食べ物を入れる器で
蓋が付いていて、形は丸いものが多いです。
表千家さんのお茶会では、お菓子を入れて菓子器として
使われることが多いようです。
蓋が付いているので、ホコリが入らず、お菓子など食材の乾燥も防いでくれます。
全体の形は独楽(こま)の形をしており、胴の部分の径が大きく
上部と下部がすぼまっており、成形する段階でも手間がかけられています。
また、器を持ち上げる時に下に指が入り持ち上げやすく、扱いやすくなっています。
溜色の漆が塗られており、やさしい風合いが特徴となっています。
蓋の表面には金色で鱗鶴(うろこつる)の柄が描かれています。
鱗は三角形の文様をいい、その中に鶴の頭を配しており
千利休の妻 宗恩の紋所といわれています。
溜色に金色の文様が映えて気品あるデザインとなっています。