清水焼から手づくりの多用鉢(丼)のご紹介です。
白土をろくろ挽きして成形し、外側全面を染付で
手描きをされた器です。
外側には中唐の詩人 張継(ちょうけい)という人の漢詩が書かれています。
楓橋夜泊(ふきょうやはく)という題の漢詩で
月落烏啼霜滿天 江楓漁火對愁眠
姑蘇城外寒山寺 (夜半鐘聲到客船)
とカッコ以外の部分が書かれています。
月落ち烏啼きて霜天に満つ、江楓の漁火愁眠に対す。
姑蘇城外の寒山寺、(夜半の鐘声客船に到る。)と読みます。
「夜が更けて月は西に傾き、烏が鳴き、霜の気が天に満ちている。
漁火の光が運河沿いの楓の向こうに見え、
旅愁を抱いて眠れないでいる私の目にチラチラして見える。
姑蘇城外にある寒山寺から夜半を告げる鐘の音が響き、この船にまで聴こえてくる。」
という意味で、わびしさを感じているせつない作者が偲ばれます。
この鉢は小鉢としては大きく、鉢としては小ぶりで
どちらかと言うと丼のようなサイズ感です。
高台はありませんが、口は羽反り型で使いやすくなっています。
サラダボールとしてや、ミニ麺類や丼ぶりものなど、
様々な用途にお使い頂けます。