清水焼から、平茶碗のご紹介です。

鉄線の花が茶碗の内と外両方に大胆に描かれています。

この抹茶碗は作風からして、ろくろ挽きではなく、手びねりで

作られています。

口の部分も胴の部分も凹凸があり、手作り感が出ています。

平茶碗は普通の抹茶碗と比べて、口径が大きく、背が低く作られています。

これは夏の暑い時期に少しでも、涼しくお茶を召し上がって頂けるよう

お茶が冷めやすいように、工夫されたものです。

相手や客のことを思いやり、少しでも涼を感じて頂けるよう、使う道具に

気を配ることは、茶のもてなしの心といえるでしょう。

また、その時季に合った植物などを描いて、季節感を感じてもらえるよう

工夫できるのは、四季のある日本ならではの「おもてなし」といえます。

平茶碗ではありますが、口が緩やかに開いて、切立に近くなっています。

胴が締めてあるので、手にしっくりと馴染みます。

鉄線の絵の大胆さや、凹凸感のある、いかにも手作りであることがわかる

暑い時期にはぴったりの抹茶碗です。