山中塗から宗廣 作の青貝香合のご紹介です。
香合とは香を入れる蓋付きの器で、茶道で炭斗に仕組んだり
棚に飾ったり、帛紗や紙釜敷にのせて床の間に飾ったりもします。
風炉の時期は香木を入れるため、漆器が使われ
炉の時期は練り香を入れるため、陶磁器製が使われます。
鑑賞の対象となることが多く、大変多くの種類があります。
この香合は漆器なので風炉の時季(5月から10月まで)に使えます。
青貝(あおがい)とは、特定の貝を指すのではなく、漆工芸の一種で
漆面や木地に貝殻の紋様をはめ込んだもので、厚貝を用いたものを螺鈿(らでん)と呼び
薄貝を用いたものを青貝と呼びます。
この香合は、琉球国王から元伯宗旦に贈られたという、江岑箱書の
「唐物青貝唐草紋香合」の写しで千家伝来となっています。
香合表面と側面には、貝が唐草の模様にとても細かくはめ込まれていて
緻密な作業と高い熟練の技術が注がれていることが分かります。
その貝殻は見る角度によって、緑、ピンク、オレンジ、紫、青、白など
七色に輝いてとてもきれいです。
宗旦好みなので、ほとんど流派で使うことが出来ます。