山中塗から木製の盃洗(はいせん)のご紹介です。
盃洗とは中にぬるま湯を入れておいて盃を洗うための器です。
洗うと言っても、中でゴシゴシ洗うものではなく
盃を酌み交わす際に、自分が使った盃をサッと清めるための器です。
格式ある料亭などには、この盃洗が置いてあったということです。
この盃洗は形からして丼椀やお好み椀とほぼ同じですので
大椀として丼ぶりものやうどんやそばなど麺類を入れて使うことも出来ます。
ケヤキの木をくりぬいて作られており、見た目よりも相当軽くなっています。
内側は黒塗で、外側は千筋といって横方向に非常に細かい筋が入れられ
更に上から溜塗が施されています。
この千筋の技術は職人さんの高齢化によって、出来にくくなっています。
高度な技術が注がれて作られた希少価値がある逸品といえます。