信楽焼から三代目 小川青峰 作の花入れのご紹介です。
三代目 小川青峰は、家祖伝来の技法と古代の穴窯で
桃山・室町時代の茶陶「古信楽」の再現に取り組みました。
口が締まっていて、花が生けやすく、茶室の床の間に飾るのに
とてもいい大きさです。
穴窯を使って薪を焚いて焼成させただけあって、この花入れの窯変は
凄まじいものがあります。
表面と裏面では、かなり違いがあり、主な正面とみるべき側は
黒褐色か深緑色のような釉薬の垂れが随所に見られ
場所によっては、赤紫のような色に変化している部分もあり
口の近辺は黄土色になっています。
下地は全体的に白っぽくなっており、特に正面の表側の変化が
大変激しく、この花入れの特徴となっています。
裏側はあっさりとした風合いですが、口の部分からの黄土色の釉薬の
垂れがあり、その垂れも下の方で黒褐色か深緑色に変化しています。
その下の方で、赤紫色も見られ、ガス窯や電気窯ではあまり見られない
穴窯の変化の面白さを感じます。
この花入れは表裏の風合いがあまりにも異なるので
その時々の季節や使う花によって、使い分けることが出来
お茶会では花入れの裏側まで、のぞきこむ人はいませんので
2回使うことが出来ます。
形は耳付きで頭が丸く首の部分がくびれおり、首のすぐ下と一番下の部分に
削ぎが入れられています。
土は信楽焼特有の石が混じったとても粗い土を使っており
表面に石が飛び出ていたり、大きなピンホールがあったりと
荒々しさが特徴となっています。
裏千家 鵬雲斎大宗匠の箱書が付いていますので
どのようなお茶会でもお使い頂けます。