昨年、小林漆陶で個展をして頂いた、橋村萬象氏は樹齢300年の木を
50年程乾燥させたものを使っているということを前回ご説明しました。
つまり、先代か先々代が仕入れた木を使って、作品を作っていることになります。
今仕入れた木が作品になるには50年後で、萬象氏の子供か孫ということになり
気の遠くなるような話ですが、そうやって素材はもちろん、技術も代々引き継いで
次の代に伝えてきているんです。
また、漆器の作り手が陶器と違う部分は、作陶はろくろ挽きや絵付けなどほぼ一人の手で
行うことが多いのに対して、漆器の場合は分業で行うことが多くなっています。
木をくり抜いて下地になる木地を作り出す「木地師」と 木地の上に黒や溜や朱の漆を塗る「塗師」
そしてその塗りの上に、蒔絵をする「蒔絵師」と大きく分けると、3工程の分業となっている場合が
多いです。
それぞれが、全く異なる作業をする為、こうなったと考えられます。
ただ例外もあって、これも萬象氏は木地を作りだすだけでなく、画を描いたり
すべての作業をされています。
作家によって同じ漆器といっても、様々なものがあるので、作り方や風合いは
その作家独自の特徴がありますが、どれも緻密で精巧、世界に誇れるものがほとんどです。
この続きは次回
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